鹿児島のせごどん会計、山中です。
退職金制度の1つである、中小企業退職金共済制度について、
しくみやメリット・デメリットをみていきたいと思います。
中小企業退職金共済(中退共)とは
国が運用している機関による中小企業の従業員のための退職金制度です。
事業主が中退共と契約し掛金を全額負担します。
従業員が退職した際は、中退共から直接従業員の口座へ退職金が振り込まれます。
中退共制度は中小企業であれば、ほぼ加入できます。法人、個人事業主問いません。
事業主は原則すべての従業員を加入させます。
契約から退職金支給までの流れ
- 制度の申込を行うと中退共から従業員ごとの「退職金共済手帳」が送付されます。
申込は商工会や銀行などの窓口でできます。 - 毎月の掛金は金融機関の口座から引落しされ、加入従業員ごとに「退職金試算額」等のお知らせが年1回送られてきます。
- 従業員が退職する際は、事業主は従業員に退職金共済手帳(請求書)を渡し、従業員は(請求書)を中退共に送付し、中退共から従業員の預金口座に退職金が振り込まれます。
特徴(メリット)
①掛金に関して
掛金は、5,000円から30,000円の範囲で16種類あり、従業員ごとに選択します。
※パートなどの短時間労働者には、2,000円から4,000円の掛金が選択できます。
掛金の前納が可能で、割引を受けることができます。
掛金は税法上、法人は全額損金、個人事業主は必要経費に算入でき節税対策になります。
②国からの助成
初めて中退共制度に加入する時
掛金月額1/2(上限5,000円)を加入後4か月目から1年間(最高6万円)助成されます。
掛金を増額変更する時
18,000円以下の掛金を増額変更すると、増額分(増額前と増額後の差額)1/3が1年間助成されます。
国だけでなく自治体によっても掛金の一部を補助してくれます。(鹿児島市・奄美市・薩摩川内市対象)
3.退職金に関して
長く働いてくれた従業員は、払った掛金以上の額が退職金として受け取れます。
2年~3年6ヶ月で掛金相当額となり、3年7ヶ月から掛金相当額を上回る額になります。
※掛金の納付が1年未満の場合は、退職金は支給されませんので注意が必要です
4.割引サービスの利用
中退共と提携しているホテルやレジャー施設を割引料金で利用できる特典があります。
気をつけたい点(デメリット)
従業員への退職金制度になるので
例えば、懲戒解雇で辞めた人に対しても退職金は支払われます。退職金の減額は可能ですが、差額について事業主への返金はありません。
また、途中で中退共契約を解約することや毎月の掛金を減額したい場合には
- 従業員の同意を得ること
- 掛金納付の継続が著しく困難であると厚生労働大臣が認めた場合
のいずれかの要件が必要になります。
掛金の増額はいつでも行える手続きに対して減額する場合は簡単には行えません。
掛金が損金や必要経費に算入でき国からの助成などのメリットがある反面、あくまで従業員のための制度になるので気を付けなければいけない点も考慮して退職金制度の1つとして検討していただきたいです。
監修:税理士法人武内総合会計
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